サド侯爵夫人

懸賞 2012年 10月 06日 懸賞

ろきさんが「獄中創作活動の大御所はサド侯爵」とおっしゃったとき、
思い出しました。テレビ録画して観た戯曲「サド侯爵夫人」を。

三島由紀夫作、野村萬斎演出
サド侯爵夫人ルネは 蒼井優
ルネの母モントルイユ夫人は白石加代子
ルネの妹・アンヌは美波
シミアーヌ男爵夫人 神野三鈴
サン・フォン伯爵夫人 麻実れい
メイドのシャルロットは町田マリー
女ばかり6人しか出演しない舞台です。
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絶対王政のフランス、モントルイユ夫人は娘のルネが名門のサド侯爵家へ嫁いだことを自慢に思っていましたが
娘婿の侯爵が不道徳な行為の罪で追われる身となりました。
娘ルネの懇願からモントルイユ夫人は
奔放で不道徳なサン・フォン伯爵夫人と信心深いシミアーヌ男爵夫人に頼んで侯爵を無実にする工作を始めます。
しかし、ルネの妹のアンヌがサド侯爵とともに逃げていたことを知ると、態度を一変、サド侯爵を投獄させます。

その後、どうにか夫を釈放させようとするルネ、それを阻止する母モントルイユ夫人の攻防が続きます。
ルネは「貞淑」のために全力で夫に尽くします。
夫の汚らわしい行為にも従順に従っていたことを母のモントルイユ夫人は調べ上げていましたが、ルネはそれすらも恥じることはありません。

やがて時は過ぎ、フランス革命が起こりつつありました。
貴族たちは次々と逃げ出します。
ルネの妹のアンヌもモントルイユ夫人を連れて逃げようとしますが、モントルイユ夫人はそれを断ります。
ずっとバスティーユの牢獄につながれていたサド侯爵も釈放されるのが間近と思われていました。
サド侯爵にずっと尽くしつづけ、待ちわびていたはずのルネは、
サド侯爵を見捨ててシミアーヌ男爵夫人がいる修道院に入ることにしました。
モントルイユ夫人にその心変わりを問われると、ルネは「ジュスティーヌは私です」と答えます。
夫のサド侯爵が牢獄で書き続けていた小説「ジュスティーヌ」を読み、
美徳の権化であるジュスティーヌには次々と不幸が訪れ、悪徳の権化である姉のジュリエットが栄えるという小説に自分を見るのです。
最後に、物乞いのように変わり果てた夫のサド侯爵が訪ねてきますが、
ルネは会わずに追い返します。

セリフがとにかく美しいです。
修飾に満ちたたくさんの言葉の数々。それらは全く無駄がなく、緊張感があります。
随分昔に読みましたが、読むのとお芝居になったのを見るのはかなり違います。

衣装はそれぞれを体現するような衣装でした。
モントルイユ夫人は上半身は着物で下は大きなスカート。
白石加代子の日本人的容貌に合います。
サン・フォン伯爵夫人の麻実れいはボンテージ風の衣装に、タイトなズボン、スカートは後ろだけ。
これが一番すてきでしたね。
サド侯爵夫人のルネの衣装は地味で禁欲的なグレーと黒のドレス。
修道女か召使を連想させます。
少女のような容貌の蒼井優が「貞淑」を貫き通し、「貞淑」のために悪徳をもなすという
何かを逸脱した複雑な女性を演じていることに不思議な感覚がありました。

白石加代子の怪演と麻実れいのジワリとくる存在感に勝ちはしないけれども負けていない蒼井優も大変だったろうなぁと思いましたよ。

わたくしのイチオシは 麻実れい。
わかりやすいキャラクターであることは確かですが、品を保ちつつ淡々と不道徳なことみだらなことを語る麻実れいの乾いた感じがとてもよかったですね。
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by hamhaha | 2012-10-06 05:59 | たわごと | Trackback | Comments(2)

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Commented by ろき at 2012-10-06 08:01 x
女優さんがわからないので検索しちゃったわ。
蒼井優、おとなし目の和風顔が可憐ですね。
セリフが美しいのでちゃんと自分の言葉にして話すのが大変そうです。
しかし普通捨てるよね、サドみたいな旦那なんか(ドライすぎ?)。

↓ジェイみたいな旦那はいいねえ、キナコ。
Commented by hamhaha at 2012-10-07 07:56
ろきさん、おはようさんです。
蒼井優はろきさんがイギリスに行った後の女優さんなんですね。
見た目に反して芯の強いしたたかな演技が得意な女優さんです。
あのセリフはたいへんでしょうね。
もちろんね、普通サド侯爵のような夫は捨てますよ。
捨てないルネはおかしいですよ。
ジェイは理想の夫ですね。
シケメン・イクメン。愛情深く統率力があり狩りが上手。
ねぇ、キナコ。
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