シンベリン

懸賞 2013年 05月 24日 懸賞

蜷川幸雄演出のシェイクスピア劇「シンベリン」をNHKで放映していたのを録画して見ました。
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シンベリンとは、ケルト人がイギリスを支配していた時代のブリテン王の名。

シンベリンの一人娘イモジェン(大竹しのぶ)は幼馴染のポステュマス・リーオネータス(阿部寛)とひそかに結婚します。
ポステュマスの父はブリテンの英雄の武人であり、ポステュマスが生まれる前に戦死します。
母は夫の死を嘆き、ポステュマスを産んだ直後に死んでしまいます。
生まれてすぐに孤児になったポステュマスをシンベリンは大切に育てます。
ポステュマスは容貌もすぐれ、文武両道に秀で、心映えもはずらしい紳士に育ち、
天使のように美しく賢く貞節なイモジェンと結ばれたのです。

しかし、王はそのことを聞くと激怒しました。
王は王妃(イモジェンの継母・鳳蘭)の連れ子クロートンとイモジェンを結婚させようと思っていたのです。
クロートンは性格の悪い与太郎のごとくバカでダメな男で、イモジェンはクロートンが大嫌いでした。
王はポステュマスを追放します。

追放されたポステュマスはローマの知人フィラーリオのもとに身を寄せます。
そこで、ポステュマスは自分の妻のイモジェンがどれほど美しく性格も良く、貞操が固いかを自慢します。
それを聞いたヤーキモー(窪塚洋介)は、自分ならイモジェン口説けると言い張ります。
イモジェンの貞節を信じるポステュマスはそれを否定し、言い合いになります。
ヤーキモーはイモジェンが自分になびくか賭けを申し出、ポステュマスはその賭けに応じます。

ヤーキモーはポステュマスの手紙を携えてブリテンに渡り
イモジェンの美しさに衝撃を受けます。
ポステュマスがイタリアで女遊びをしていると嘘を言い、動揺したイモジェンを口説こうとしますが、イモジェンはなびきません。
ヤーキモーはイモジェンに頼みごとをします。
大切な品物が盗まれると困るので、一晩預かってほしいと。
イモジェンは快諾し、ヤーキモーの長持ちを自分の寝室にあずかります。

イモジェンが眠りに落ちた後、長持ちの中に潜んでいたヤーキモーが出てきて、
イモジェンの寝室の様子を記憶し、ポステュマスがイモジェンに贈った大切な腕輪を眠るイモジェンの腕から抜き取ります。
そして、イモジェンの寝巻の隙間から、イモジェンの胸に特徴的なほくろがあることを確かめます。
ローマに帰ったヤーキモーは、ポステュマスにイモジェンの寝室の様子を語り、イモジェンからもらった(本当は盗んだ)腕輪を見せびらかし、
イモジェンの胸にほくろがあることを暴露し、イモジェンが自分になびいたとうそをつきます。
数々の証拠にポステュマスはそれを信じ、妻が自分を裏切ったことに絶望し、怒ります。

・・・・あほ?

自分の妻の貞節を賭けの対象にするなんて。ポステュマスはとても大バカだわ~。
そして、ヤーキモー。
どうしてそこまで嘘八百を並べ、夫婦の間に亀裂を入れるのか。
そんなことに悪知恵を働かせるなら、もっと建設的なことに知恵を使いなさいよ~。

ヤーキモー、ちょっとそこにお坐りなさい、
そもそもあなたがそういう馬鹿な真似を(以下延々はむははのお説教・省略)



ポステュマスは怒りのあまり、ブリテンに残っている召使のピザーニオに手紙を書きます。
不貞を働いた妻イモジェンを殺せと。
ピザーニオは驚きます。不貞なんて事実はどこにもないからです。
ピザーニオはイモジェンに男装をさせ、ローマの使節とローマに向かうよう言います。
そしてポステュマスには血まみれるハンカチを送り、イモジェンを殺したと嘘の報告をします。

一人にされたイモジェンはローマ使節を見つけることができず、山の中で疲れ果てます。
そして洞穴に住むモーガンと二人の息子と知り合い、助けてもらいます。
実はモーガンは昔のシンベリンの家臣でベレーリアスという武人でした。
20年前、国のために戦ったのに冤罪で追放されたことを恨み、
当時3歳と2歳だった二人の王子を誘拐し、山の中で息子として育てたのでした。
ですから、二人の息子ポリドーア(本当はグィディーリアス)とキャドウォール(本当はアーヴィラガス)はイモジェンの兄にあたります。

モーガンたち3人が留守中、いろいろあって疲れたイモジェンは召使ピサーリオにもらった元気になる薬を飲みます。
実はその薬、王妃が医師に命じて作らせて毒薬。
でも医師は王妃が悪巧みをしていると感じ、いったん仮死するけれどもその後生き返るという薬を調合して王妃に渡します。
その薬を毒薬と信じている王妃はそれを「元気になる薬」と言ってピサーリオに渡したものでした。
ピサーリオに渡せば、ポステュマスかイモジェンが飲んで死ぬと思ったからです。

王妃の連れ子のバカのクロートンはイモジェンがいないことを知り、ポステュマスの上着を着て追いかけます。
山中でモーガンと息子たちはクロートンに出会い、争い、ポリドーアはクロートンの首をはねて殺します。
薬を飲んだイモジェンは仮死状態になっていたので、モーガンと息子たちはイモジェンが死んだと思って嘆き悲しみ、
王族のクロートン(首なし)とともに安置します。
仮死から目がさめたイモジェンは首のない死体がポステュマスの上着を着ているのでポステュマスの死体だと思い、激しく絶望します。

ローマの使節は属国のブリテンからの年貢が来ていないとシンベリン王に迫りますが
シンベリン王はもう年貢は修めないと宣言します。
実質的な宣戦布告です。

ローマとブリテンは戦争することになってしまいました。
ローマの使節は、帰り道、首なしの死体の前で嘆く少年(本当はイモジェン)を見つけ、小姓として召し抱えます。

ブリテンとローマの戦場にポステュマスが貧しい身なりに扮してやってきます。
怒りに任せて「イモジェンを殺せ」と命じたものの、ピサーリオから「殺した」と(嘘の)報告を受けて後悔します。
「命令に従えばいいというものではない、ピサーリオ」と愚痴るポステュマス。

いやいや、あなたの責任でしょう。

イモジェンがいない世界に生きる気はないポステュマス。
祖国のために戦って死のうと、貧しい身なりではありますが獅子奮迅の働きをします。
敵の中には話をややこしくしたヤーキモーもいました。
モーガンと息子たち(王子たち)の活躍もあって、ブリテン軍はローマ軍を打ち破ります。

王妃は狂死し(唐突だな)、死ぬ前にいろいろな悪事を白状して死んだとシンベリンは報告されます。
信頼してい王妃の悪事に、目が覚めたシンベリン王。

最後に捕虜になったヤーキモーがポステュマスを騙したいきさつを話します。
そこで貧しい身なりに扮していたポステュマスが正体を現し怒ります。
ポステュマスの姿を見た小姓姿のイモジェンが自分はイモジェンであることを告白して、ポステュマスとお互いの無事と再会を喜び合います。
モーガンは自分の息子たちが実は20年前行方不明になった王子たちだと白状し、王に返します。
王はモーガン(グィディーリア)を許し、ローマの捕虜も許し、大団円で終わります。

イモジェンの大竹しのぶ、素晴らしかったです。
20年前に2歳で誘拐された王子の妹というと21歳以下の王女ということになりますが
10代でも通用するくらい若々しく、初々しく、瑞々しいです。
動きもとてもいいです。
男装したときの動きは少年らしく、かわいらしいです。

ポステュマスの阿部寛、文武両道を極め、性格もよくて背が高くてハンサム。
だけどくそまじめすぎてコロっとヤーキモーにだまされてしまうのがご愛嬌。
映画「テルマエロマエ」でくそまじめなルシウス・モデストゥスも当たり役だと思いますが
くそまじめすぎてちょっと間抜けなハンサムというのは親しみやすくていいですね。
戦闘シーンの動きも鋭くて素晴らしかったですね。

鳳蘭の王妃、存在感があって、こんな手ごわい悪役では前途多難というドキドキ感がいいですね。
ヤーキモーの窪塚洋介。軽い奴が似合うなぁ。
軽い奴だけれども、実は嘘をついたことに良心が痛んでいるというのが、やけっぱちぎみに表現されているのもいいですね。

効果音が歌舞伎調だったり、絵巻物の絵をスクリーンに映したり、日本風に演出しているのも面白くてよかったです。
去年、ロンドンのバービカン劇場でも上演したそうです。
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by hamhaha | 2013-05-24 23:59 | たわごと | Trackback | Comments(2)

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Commented by ろき at 2013-05-26 07:20 x
あまり上演されない作品ですよね。
蜷川さんがこれを取り上げた理由を知りたいわ。
娘をばか息子と結婚させようとする父とか、いろいろ無理があるよね~。
男たちがみんなアホ。ちょっと見てみたくなっちゃいました。
Commented by hamhaha at 2013-05-26 09:40
ろきさん、おはようさんです。
蜷川さんはシェイクスピア全37作品をすべて上演するそうです。
次は「ヴェニスの商人」らしいです。

設定が盛りだくさんでめまぐるしいですが
俳優さんたち(もしくは演出)が良くて、とても楽しかったです。
大竹さんと阿部さんが特によかったですね。
仮死状態になるけれども後で生き返る薬って、「ロミジュリ」でも使っているけれども、そんなのあるのかしら。
男たちがもれなくアホで、そんなバカなという設定もありますが
面白いので機会があればぜひご覧ください。
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