カティンの森

懸賞 2013年 12月 21日 懸賞

カティンの森 [DVD]

アルバトロス


「カティンの森」をテレビ録画しましたが、予備知識は全くなしでした。
アンジェイ・ワイダの作品だったのですね。

1939年、ドイツとソ連は独ソ不可侵条約を結び、ポーランドに侵攻して二分します。
橋の上で、ドイツ軍に追われた人々と、ソ連軍に追われた人々は、鉢合わせとなります。お互い、敵軍から逃げてきたのです。
ソ連はポーランドとの不可侵条約を一方的に破って宣戦布告のない侵攻でした。
(日本も日ソ不可侵条約を一方的に破棄され、北方領土を占領されました)
アンナとその幼い娘のニカは、アンナの夫のアンジェイを探しに、ソ連が占領するポーランド東部に向かいました。
二人は捕虜となって駅にいるアンジェイに会います。アンナは夫に逃亡をするよう言いますが、軍に忠誠を誓ったアンジェイは、捕虜として貨車に乗せられて去っていきます。
アンジェイたち将校はコジェルスク収容所に収容されました。

「ドイツ軍は兵士を、ソ連軍は将校を捕虜にする」「大砲や戦車はゼロから作れるが、訓練された将校の代わりはいない」と捕虜となったアンジェイはいいます。
そして、アンジェイはほかの将校たちとどこかに移動させられます。
彼らには知らされていませんでしたが、行先は「カティンの森」です。

アンジェイの父はドイツに占領されたクラクフのクラクフ大学で教鞭を取る教授でしたが、
大学が反ドイツ的であると断じられ、強制収容所に送られて心臓発作で死亡します。

アンジェイの妻のアンナは、姑と一緒に暮らし、夫の帰りを待っていました。
しかし、夫は帰らぬまま、終戦を迎えます。
実は夫アンジェイはカティンの森の惨殺事件で殺されていたのです。

カティンの森の惨殺事件とは、ソ連が捕虜のポーランド将校、技師、聖職者など約22,000人を銃殺して埋めたもので、
ドイツがソ連を侵攻して占領したカティンの森から多数の遺体が発見されました。
ドイツはソ連軍が惨殺したと宣伝しますが、ソ連はドイツがやったと反論します。

戦後、ポーランドはソ連の支配下に置かれましたから、ソ連に逆らうことができません。
カティンの森で夫を失った大将の夫人ルジャはソ連の偽りの宣伝映画を批判します。
そして、イェジ中佐は心ならずもソ連の言うとおりの証言をしましたが、それをルジャに非難されます。
「あなたも連中と同じ。思いは違っても行動は同じ。思うだけなら何の意味もない」
罪悪感にかられたイェジは拳銃自殺をします。

履歴書に「父は1940年カティンの森でソ連軍に惨殺された」と書いた少年は書き直しを要求され、
兄の墓標に「1940年カティンで非業の死」と書くと、その墓標は破壊され、その墓標を造った妹は逮捕されました。
(1940年、カティンの森はソ連の支配下でしたので、ソ連は1941年のドイツ占領後にドイツがカティンの森の事件を起こしたと発表していました)

せっかく戦争が終わったのに、
ソ連の支配下で、誰もが真実を知る「ソ連によるカティンの森の惨殺」から目をそらさなければならない現実がつらいです。

映画の最後に、ゴジェルスク収容所から貨車に載せられ、カティンの森に運ばれる人々を描いていきます。
ひとりひとり、流れ作業的にたくさんの人々を殺していくソ連兵。
なすすべもなく殺されていくポーランド人達。ブルドーザで遺体を埋めていく容赦のなさ。
特にドラマチックに描いていないのに、その凄惨さには言葉を失います。
人間は、こんな風に残忍になれるですね・・・・。

アンジェイ・ワイダ監督の父はカティンの森で殺されたそうです。
ソ連の支配下のポーランドでは、事実を言えない辛さが遺族にはあったでしょう。
ゴルバチョフの時代に、「カティンの森の事件はスターリンの罪」と認めたそうです。
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by hamhaha | 2013-12-21 06:04 | たわごと | Trackback | Comments(2)

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Commented by ろき at 2013-12-24 03:04 x
昔から大国にはさまれてひどい目に遭っているポーランド、中でもこの悲劇は壮絶ですね。
淡々と描くほうが恐ろしさが迫ります。
もうこういうことがないように祈りたいです。
Commented by hamhaha at 2013-12-24 04:16
ポーランドは場所が悪いのか、何度も国消失の憂き目にあっていますからね。
だからって、こんなにたくさんの人々を殺さなくても。
淡々と描かれた方が雄弁ですね。

世界では今もいろいろな紛争がありますが
平和になってほしいですね。
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