いまさらですが、ソチ・オリンピックが終わりましたね。
その閉会式で、ロシアを代表する二大バレエ団が出てきました。
モスクワのボリショイとサンクトペテルブルクのマリインスキーです。
それぞれ得意な踊りを踊りました。
ボリショイは「海賊」かしら?
マリインスキーは「白鳥の湖」ですね。
ナレーションでそれぞれのバレエ団の特徴を言っていました。
「大胆で華やかな舞いが特徴のボリショイ
簡潔で洗練された振付が特徴のマリインスキー」
そうですね、そう表現するといいですね。
わたくしは「骨太で体育会系のボリショイ」とつい言ってしまって
ボリショイ・ファンには張り倒されるかもしれません。
でも、悪口ではないのよ、
基礎がしっかりとしていて安定感があるボリショイは、
芸術家というより、アスリートという印象が強いので。
やっぱり張り倒されるかしら。
先日、テレビでそのマリインスキー劇場の「白鳥の湖」を見ました。
2013年6月の公演だそうです。
「白鳥の湖」は不動のロマンティック・バレエです。
さすが、マリインスキーですね、素晴らしかったです。
オデットとオディールを踊ったエカテリーナ・コンダウーロワ、
オデットの時、とても繊細で優雅で可憐で、素晴らしかったのですが、
なにか違和感がありました。
オディールの時、その違和感の意味が分かりました。
オディールの時はとても生き生きしていて、はじけるように踊っていたからです。
考えてみれば、オデットのようにうじうじタイプの姫は
現代ではそれほど魅力的ではないですよね。
でも、最後まで夢のように美しいオデットを踊ってくれました。
ラストはハッピーエンド版でした。
ずっと前、モナコ公国のモンテ・カルロ・バレエ団の「LAC~白鳥の湖~」をテレビで見ました。
音楽は白鳥の湖ですが、新振付です。
幼い王子が幼い少女(オデット?)と遊んでいるところに、
夜の女王(悪魔ロットバルトの女性版)がやってきて、
自分の娘(オディール?)と遊ぶように王子に強要しますが、
王子がオデットとばかり遊んでいるので、怒った夜の女王がオデットを連れ去ります。
王子はそのつらい思い出を胸に成長します。
夜の女王は我が物顔で王宮に出入りして、オディールを王子と結婚させようとしているようです。
王も王妃も夜の女王には遠慮しています。
夜の女王に虐げられ、白鳥にされているオデットに王子は会い、恋に落ちます。
それを見た夜の女王は一計を案じ、
王子の嫁選びの舞踏会にオデットに化けたオディールを連れて行きます。
騙された王子はオディールに求婚します。
勝ち誇る夜の女王とオディール。
驚く王子。
しかし、なんと、王妃がオディールを殺します。
娘の遺体に嘆き怒る夜の女王、オデットを殺します。
王子も夜の女王に殺されてしまいます。
王がスキンヘッドでかっこいい、けれども、
あんまり活躍はしていなかったですね。
夜の女王を演じるのはベルニス・コピエテルス
主人公・夜の女王で決まりですね。
なにしろ、存在感ありまくりで、だれもが逆らえないというのを
ちゃんと表現しているのです。
もう一人の主役は小池ミモザさん扮する王妃。
ずっと我慢していたけれども、
夜の女王が自分の息子を不幸にするのは耐えられないと
怒りのあまりオディールを殺します。
夜の女王にはかなわないけれども、小娘のオディールには勝てたのですね。
そして、王妃は母として夜の女王が一番つらいのは娘を失うことだと分かっていたのです。
王妃は夜の女王に一矢報いたということですね。
結果として王子も失ってしまったけれども。
興味深い新解釈版でした。