映画 ラルジャン

懸賞 2014年 04月 27日 懸賞

ラルジャン [DVD]

クリスチャン・パティ,カロリーヌ・ラング/紀伊國屋書店

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映画 ラルジャン

ジャケ買いじゃないけれども、いつもの通りタイトルの響きのみで
予備知識なしで録画しました。
楽しい映画かなぁと思って。
違ってました。

フランス映画。
最初に出るのは男子高校生。そこそこいいところの坊ちゃん。
父に小遣いをもらうものの、友人に借金をしていて、返済には足りません。
友人に相談すると、偽札をもらいます。
写真屋で買い物をして、偽札を使い、お釣りをもらいます。

写真屋はあとで偽札と気付いて、使ってしまうことにします。
燃料屋の従業員のイヴォンにその偽札を払います。
イヴォンは疑うことも確認することもなくその偽札を受け取ります。
そして、その偽札をレストランで知らずに使ってしまい、偽札と見破られます。
イヴォンにしてみれば、とんだいいがかりです。
思わずそのレストランで暴力を振るってしまいます。
そして、その偽札を払った写真屋に警察を連れて行きますが
写真屋の従業員のリュシアンがイヴォンに会ったことがないと偽証し
偽札の出所がわからなくなります。

イヴォンは潔白を証明できずに、燃料屋をクビになります。
イヴォンには美しい妻とかわいい盛りの幼い娘がいます。
生活のためになんとかお金を工面しなければなりません。

友人に借金を申し込むと、簡単な仕事を頼まれます。
車で道端で待っていてくれというものです。
言われたとおりにイヴォンは道端で待っています。
その友人は銀行強盗をし、警察にかこまれます。
銃声が響きます。
何もわからず待っていたイヴォンですが、警官が近寄ってきたので逃げ、逮捕されます。
知らないうちに強盗の片棒を担がされたイヴォンは刑務所に入れられます。

刑務所に入っているうちに、幼い娘は病死し、妻には別れを告げられます。
刑務所で暴力事件を起こしたイヴォンは独房に入れられ、
毎日処方される睡眠薬を少しずつためて一気に服用し、自殺を図りますが、失敗します。

一方、写真屋の従業員のリュシアンは店の売上をごまかしてクビになりますが
店の金庫の鍵の複製を手に入れていたので写真屋に空き巣に入って金庫を荒らします。
また、銀行ATMに細工をして他人のキャッシュカードを手に入れてその預金を下ろしたりします。
そのリュシアンがイヴォンと同じ刑務所に入ってきて、
イヴォンに脱獄を持ちかけますが、イヴォンはリュシアンを殺してやりたいという気持ちしかなく、断ります。

イヴォンは妻も娘も仕事もすべて失っているのです。

刑務所から出所したイヴォンは、最初に泊まったホテルのオーナーを殺して金を奪います。
そのあと知り合った農家の老女の家に身を寄せますが、その一家も惨殺します。
そして警察に自首したのです。

おばかな男子高校生の愚かな行いがなければ、イヴォンは仕事を首になることもなく、刑務所に入ることもなかったでしょう。
ひとつの小さな出来事が原因で、少しずつ踏み外していって、最後に殺人という取り返しのつかないことも平気で行うようになるのです。

イヴォンは最初に偽札を使ったレストランで暴力を振るっています。
本当に温和な一市民だったら、暴力を振るっていないかもしれません。
でも、多少の暴力性は人は持ちうるもの。
その箍を外したのは、男子高校生の浅はかな行いだったのです。

登場人物たちはすべて感情を表したりせず、セリフも棒読みです。
どんな場面もほとんど淡々と表現されます。
まるで仮面劇のようです。

全てを失い、死からも見捨てられたとき、イヴォンは人外に変貌します。
仮面劇なら、ここで恐ろしいお面に替わるかもしれません。
しかしこれは仮面劇ではなく、外見は人間のままなので、人々にはそれがわかりません。

最後に、イヴォンを受け入れた老女は、イヴォンが人外だと察知したのかもしれません。
イヴォンが老女のために木の実を摘んで食べさせるところが、とても愛情深く、穏やかな光景です。
老女は夫に先立たれ、気難しくて暴力的な父と妹一家と住んでいますが、幸せそうには見えません。
イヴォンは、老女を解放するために老女を殺したのかも知れません。

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by hamhaha | 2014-04-27 16:46 | たわごと | Trackback | Comments(2)

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Commented by ろき at 2014-04-28 04:57 x
「金はどこだ」っていうフランス語をこの映画で覚えたような。
あれよあれよという間に悪の連鎖が起きてしまいますね。怖いです。
感情移入お断り、のような描き方なのも印象的でした。
Commented by hamhaha at 2014-04-28 05:21
ろきささん、おはようさんです。
「金はどこだ」って、最後の老女を殺すところですね。
ひとつひとつは小さなことでも、悪いことが重なります。
だれにでも起こりうることというのが怖いですね。
オーバーアクションがないところもとても怖かったです。
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