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映画「舟を編む」

懸賞 2014年 05月 04日 懸賞

三浦しをん原作の映画です。
これは見たくて録画しました。

1995年、出版社・玄武書房では、「大渡海」という辞書を作ることとなりました。
見出し語は25万語ほどの中型辞典です。
監修は国語学者の松本朋佑(加藤剛)、編集者は荒木公平(小林薫)と西岡正志(オダギリジョー)。
しかし、荒木は定年を目の前にしていて、定年後は病気の妻の面倒を見るつもりです。
松本に「君以上の編集者はいない」と言われた荒木、「天地神明にかけて代わりの者を連れてきます」と、後継者を探します。
キーワードは「君は右という言葉を説明できるか」です。
言葉で説明するのは難しいですね。
大学院で言語学を学んだという、ちょっと変わった男の馬締光也(松田龍平)は
「西を向いたときの北に当たる方」と答えます。
そうそう、東西南北を使うというのは知っていたのよ、わたくしも。(本当か?)
こうして馬締は天職ともいえる「辞書編集者」となるのです。

馬締は学生時代からずっと古い下宿に住んでいて、その下宿を本で埋め尽くして暮らしていました。
そんなに本が沢山あると、床が抜けないかと心配になります。
人とのコミュニケーションが苦手な馬締ですが、辞書編集には素晴らしい力を発揮します。
馬締の恋や、大渡海の発刊中止の危機、西岡の転属、松本の死を乗り越えて、13年の年月をかけて大渡海は刊行されたのでした。

馬締が恋をしたのは下宿の大家・タケおばあちゃんの孫のかぐや。
馬締は、巻紙に毛筆で達筆な恋文を書いて、西岡に「戦国武将か!」と突っ込みを入れられていました。
馬締の恋は成就し、二人は結婚します。

辞書には興味のない西岡は辞書編集に時には20年以上もかかると聞き、うんざりするような普通の会社員ですが、
コミュニケーション能力は抜群で、フットワークも軽く、アイディアマンです。
そして、次第に辞書の仕事も大切に思うようになります。

契約社員の佐々木は黙々とまじめに仕事をこなしていき、知識も豊富な重要な戦力です。
でも、13年も契約社員のままだったのかしら。

辞書の作り方というのがとても興味深かったです。
まず用例採集カード。
言葉の意味や用例を一つ一つ書いていくカードです。
玄武書房の辞書編集部には用例採集の部屋があって、今まで集めた言葉のカードが100万以上保管してあります。

馬締も用例採集カードを持ち歩くようになり、知らない言葉に出会うと書きこむようになります。

そして見出し語選定。
自社の国語辞典に載っている6万語は全て載せます。
それ以外の言葉が書いてある用例採集カードの言葉を選別します。
広辞苑と大辞林、両方に載っている言葉には丸印、片方に載っている言葉には三角印。
丸印は大渡海に乗る可能性が高く、三角印はそれよりも低い。無印のカードから何を載せるかで大渡海の個性が決まる、ということです。
荒木、西岡、馬締は黙々と印をつける作業をやって行きます。
用例採集カードはあるものは黄ばみ、あるものはまだ白く、長い期間をかけて集めたということがわかります。
契約社員の佐々木は黙々とそれをパソコンで入力していきます。

選別作業をしながら、並行して語釈をつけていきます。
語釈は外部発注もします。(国語学者などに依頼します)

辞書に使う紙も重要です。ぬめり感があって、めくりやすいように工夫をしてもらいます。

もちろん、少しの間違いがないように、何度も校正を重ねます。

辞書というのは、こういう地道な作業でできるのだと思うと、感動的です。
10年も20年もかかるというのはわかります。
完成したときの達成感はきっと計り知れないものでしたでしょう。

最近、辞書をめくることもなくなりました。
パソコンやスマホに内蔵されている辞書を使うからです。

昔は、ただ広辞苑を眺めているのが楽しかったことを思い出しました。
辞書を買いに行こうかと、ちょっと血迷ったことを思ってしまいました。
(買わないわよ、たぶん)

映画「舟を編む」_b0014576_05523758.jpg
可愛いマロン君の画像は本文とは関係ありませんのでご了承ください。

by hamhaha | 2014-05-04 05:54 | たわごと | Trackback | Comments(2)

Commented by ろき at 2014-05-04 06:43 x
辞書ですか。地味ですよね。
それを映画で楽しめるようにするのはすごいことです。
原作もいいのでしょうね。
おや、マロンくん♪
本といえば、『ハムケツ』見た?
Commented by hamhaha at 2014-05-04 08:49
ろきさん、おはようさんです。
辞書です。地味です。

玄武書房の本社ビルが近代的で立派なビルなのに、
辞書編集部がある旧館は、昭和・・・もしかすると大正の香りがする古色蒼然とした建物だったり
用例採集カードがひとつひとつ古さが違って、長い時間をかけて集めたということがわかったり、
見せ方がとてもうまかったですね。

え?ハムケツ?
知らないわ~。(検索)
・・・・買う!!買う~~~!!
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