小説・火花

懸賞 2017年 05月 31日 懸賞

火花 (文春文庫)

又吉 直樹/文藝春秋

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火花を読みました。
お笑い芸人の又吉直樹氏の小説で、芥川賞作品です。
ずっと気にはなっていましたが、
文庫になって本屋に並んでいたので、うっかり(?)買いました。
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とても平易で読みやすく、過剰な装飾もなく、気負いもなく、
過不足のない文体でした。
過不足のない文体というのはとても心地よいです。

ストーリーは、あるイベントで出合った漫才師の徳永(僕)とこれも漫才師の神谷さん。
徳永は神谷さんに弟子にしてくださいと頼み、快諾されます。
「俺の伝記を書くこと」という条件付きで。
徳永のコンビも神谷さんのコンビも、売れているわけではありませんが、
徳永は神谷さんの笑いに対する真摯な姿勢と恐ろしいほどの才能に心酔します。
徳永はいろいろなことを考えてしまい、
神谷さんほど何もかもなげうってすべてを笑いに捧げることができません。

圧倒的な才能があるにもかかわらず世渡りが下手でなかなか目が出ない神谷さん。
そこそこ人気があってテレビにも出る徳永。
でも、徳永のそこそこの漫才は神谷さんに評価されません。
「徳永やったら、もっと出来ると思ってまうねん」と。

人生のすべてをかけて純粋に笑いのみを追究する神谷さんの姿は
ゴッホのようです。
普通の人間はそこまで踏み切れません。

神谷さんの最後の行動は奇矯すぎて予想外でした。
そうくるか~、ゴッホも耳切ったしなぁ。

作品全体に「お笑い」に対する深い愛情が満ちています。
人間に対する愛情も満ちています。

テクニカルなことを言えば、多少未熟なところもあるような気がしますが
そんな些末なことを言う自分が嫌になるくらいいい作品です。
物事の真実の本当のコアな部分を
易々とつかみ出して「ほら」と差し出されているような気がします。
「そうそう、そこなのよ」と、求めていた答えを指示された気がします。

でも、これ書かれちゃ、相方はつらいのではないでしょうか。

で、なぜ画像がていちゃんかというと、
ていちゃんって読書好きに見えない?

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by hamhaha | 2017-05-31 00:01 | たわごと | Trackback | Comments(2)

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Commented by ろき at 2017-06-02 00:26 x
あら、この作品、『花火』と記憶していた・・・ダメじゃん。火花なんですね。
お笑いは芸として高度ですよね。頭よくないとできない。
過不足ない文体、いいですね。読んでみたいです。
Commented by hamhaha at 2017-06-02 06:33
ろきさん、おはようさんです。
わたくしも「火花」だったか「花火」だったか
うろ覚えで。
昔風に右から読めば花火だなぁ。

お笑いって難しいですよね。
バカっぽく見せていますが。

過不足なく書くのは難しいですよね。
機会があればぜひご一読ください。
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