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マニトバ基準、アークティック・リンク、そして円山動物園

懸賞 2013年 07月 20日 懸賞

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5月に、円山動物園のホッキョクグマの担当さんが男鹿水族館GAOと上野動物園に行ったそうです。
両施設の共通キーワードは「マニトバ基準を満たしている」ですね。

「マニトバ基準」というのは、カナダのマニトバ州というホッキョクグマが多く生息する州の
「ホッキョクグマ保護法」によるホッキョクグマ施設の基準のことだそうです。

カナダ マニトバ州 ホッキョクグマ保護法 ~マニトバ基準~

「世界のホッキョクグマ飼育施設はこうあるべき」という基準ではなく、
「マニトバ州の野生のホッキョクグマの子が、親に死なれたり親とはぐれたりして保護された時、
もし、その野生の子を譲り渡すとしたら、最低限このような条件を満たした施設でなければ譲り渡すことはできない」という基準です。

男鹿水族館が野生の子を譲ってもらおうと、「マニトバ基準」で施設を作りましたが、
結局譲ってもらえなかったという経緯もありますから、施設条件を満たしても必ず譲ってもらえるということではないようです。
(もちろん、基準を満たさなければ、絶対に譲ってもらえません)

「マニトバ基準」には、いろいろなことが定められています。
たとえば放飼場の広さは二頭で500平方メートル以上、非展示エリア(寝室エリア)は75平方メートル以上だそうです。
プールは70平方メートル以上で最も深いところは3メートルなければなりません。
床は土、わら、木材、チップまたは他の適当に柔らかい素材とのことです。
くまは展示エリアと非展示エリアを自由に行き来できます。
産室のサイズや、プールのガラスの厚さも決まっています。

昨年11月の北海道新聞の新ホッキョクグマ館建設の報道によりますと、
同園(円山動物園)によると、現在のホッキョクグマの展示施設は床がコンクリート、
プールの広さが約30平方メートルしかなく、欧米の施設に比べると、成育に適した施設とはいえないという。

とのことです。

ララのプールは倍以上の広さが必要なのですね。
ララのプールがが30平方メートルとすると、ララの放飼場はお濠を含めて200平方メートルくらいでしょうか。
そうすると、広さだけを見ると、ララの放飼場の2.5倍くらいで2頭というとですね。

公式HPによると、世界の熊館は昭和55年3月建設 1,641.12平方メートルだそうです。
現在、世界のクマ館の外放飼場はすべて通路でつながるようになりましたので、広さは何とかなりますが、
プールとコンクリートはいかんともしがたいですね。

「エゾシカ・オオカミ舎」のオオカミ放養場が約493平方メートル、エゾヒグマ館の屋外施設の屋外放飼場は525平方メートルですから(公式HPによる)、
エゾヒグマ館の放飼場のプールが広くて深ければ、マニトバ基準を満たすことになりますね。

円山動物園はホッキョクグマを8頭(双子を含む)所有しています。
ララ・デナリ・サツキ・イコロ・キロル・アイラ・双子です。
日本一の所有頭数で、世界的に見ても、ホッキョクグマを8頭も所有している施設は珍しいでしょう。
しかも、その8頭はすべて繁殖可能年齢か、これから繁殖可能になる年齢です。これからも増えるでしょう。
旭山にいるサツキが子供を産んだら、確か第一子は円山の子です。
(キャンディが子供を産むとその子は豊橋の子です)

今年、コペンハーゲン動物園では「アークティック・リンク」という北極圏エリアを造ったそうです。
外放飼場は北極圏の海岸をイメージしているそうです。
ホッキョクグマが泳ぐプールに人間が通るアクリルトンネルがあるので、ホッキョグマの泳ぐ姿を下から見ることができるそうですよ。
楽しいですね。
総工費1.51億デンマーク・クローネということですから、日本円では27億円くらいでしょうか。

円山動物園は2015年から新しいホッキョクグマ館を建てることにしています。
世界が驚くようなホッキョクグマ施設を独自の基準で造ることを考えたらどうでしょう。
海外からも専門家や動物園デザイナーを招へいし、
広さも、思い切って10,000平方メートル以上の、世界中から視察が来るような施設を造ってもらいたいわ~。(言うだけタダ)

世界から見て、日本の動物園の考え方は遅れているそうです。
でも、いつまでも世界の後を追うことはありません。MARUYAMA基準、SAPPORO基準を世界に発信しましょう。

その施設のお金はどうするのか。
ゾウに20億使うつもりのようですが、ゾウは今、円山動物園にいない動物です。
その20億は、今、生きている、円山動物園が責任を持って幸せにしなければならない動物のために使ったほうがいいのではないでしょうか。
それでも足りない時は「ララ債」を発行してお金を集めてはどうでしょう。

札幌市はホッキョクグマという誇れる希少な財産を所有しているのですから、
市長は強い意志と信念を持って素晴らしい施設を作り上げてほしいですね。

by hamhaha | 2013-07-20 14:19 | 円山動物園 | Trackback | Comments(2)

Commented by とっくー at 2013-07-21 15:59 x
はむははさんは、自分の考えというのが一本通っていてそれがブレないし、はっきりブログで意見を書かれるので、見ていてとても気持ちがいいです(^▽^)

しかも (言うだけタダ) って面白すぎるし。


市長も、色々とお仕事があって大変かもしれませんが
強い意思を持って欲しい というのは本当、同意です。
それを園長に望むのは無理だと私は思ってます。
(だってすぐ転勤するし)
ララが子供を産み育てている間、今こそ決断の時ですね
(だから男鹿に行ってるんだよ と言われそうですが)
そうそう。そしてSAPPORO基準 MARUYAMA基準 と
後に言われるような基準を作ってもらいたいです・・・

その昔、旭山が夢を描いて成功した様に、今度は独自の
路線で、夢と命をつなぐパイオニアになって欲しいですね!長々とすみません(^_^;)
Commented by hamhaha at 2013-07-22 00:11
とっくーさん、こんばんは。
え、わたくし、そんなに深く考えてませんって。
己の欲望の赴くままに書き散らしています。

そうそう、言うだけタダだから、もっと吹いておけばよかったわ~。

男鹿水族館のバックについているのは「秋田県」、
恩賜上野動物園は「東京都」ですよね。
円山動物園は札幌市、なので、やはり予算関係から見ると弱いと思います。
札幌市全体が総力を挙げて頑張ってくれないと、
なかなかいい施設は作れないと思うのですよね。

旭山動物園が成功したのは、強い気持ちがあったからですよね。

ということで、市長、なんとかララに報いてくださいませ。
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